妊娠中はビタミンAの摂り過ぎに注意!その理由と気を付けるべき3つのこと

妊娠中はビタミンAの過剰摂取に気を付けなければならない、と聞いたことはあるけど「どれだけの量をとると過剰摂取になるのだろう、、」「自分の食生活はビタミンAの過剰になっていないだろうか、、」と不安に思ってはいませんか?実は、妊婦さんにとってビタミンAは摂り過ぎても不足しても良くない大事な栄養素なのです。

赤ちゃんのために食べないと!と思ってたくさん食べていたものが実は胎児に悪影響だった、なんてことにはしたくないですよね。これから生まれてくる命のために、まずは知識をつけましょう。

今回の記事は、厚生労働省や食品安全委員会の文献、海外の研究結果などを参考に

  • 妊娠中のビタミンAの摂取量
  • 妊婦と胎児へのビタミンAのはたらき
  • 過剰摂取にならないために気を付けること

の3点を中心に解説しています。

記事の後半には、ビタミンAを多く含む、特に気を付けるべき食品もご紹介しているので参考にしてみてくださいね。

これを読めば、妊娠中にビタミンAの過剰摂取に気を付けることができ、心身ともに元気なマタニティライフを送ることができるでしょう!

 

 

 

1.ビタミンAについて

これからビタミンAの特徴と効果について簡単にご説明します。

 

1-1.ビタミンAの特徴

ビタミンAは脂溶性ビタミンといって、油に溶けやすく、体内に蓄積されやすいビタミンです。体内で合成することができないため、胎児へは胎盤を通して母体から供給される必要があります

ビタミンAを摂るときは、肉や卵に含まれるレチノールから摂る方法と、野菜や果物に含まれるβカロテンから摂る方法の2つがあります。ビタミンAは体内で合成できないので、”食べること”によって摂取する必要があるのです。

レチノールは体内でそのままビタミンAとして利用されますが、βカロテンは必要に応じて、体内でビタミンAに変換されます。

 

1-2.ビタミンAのはたらき

ビタミンAは胎児の発育において重要な役割を持ちます胎児の手足の発達や、心臓や耳や目の形成に機能するといわれているからです。また、ビタミンAには免疫力を高めたり、細胞を成長させたりするはたらきもあります。不足してしまうと、免疫力が低下して風邪をひきやすくなったり、暗いところで目が見えにくくなったりします。

 

2.妊娠中のビタミンAの過剰摂取摂取はNG

先ほどお話ししたようにビタミンAは胎児の発育において大切な栄養素の1つです。しかし、重要だからといって摂り過ぎると、返って良くない影響がでてしまうのです

これから過剰摂取によって起こりうる

  • 胎児への影響
  • 母体への影響

についてご紹介します。

 

2-1.胎児への影響

妊娠中にビタミンAを摂り過ぎてしまうと、胎児の

などの「奇形発生」に影響を及ぼす可能性が高くなってしまいます。

実際に動物実験では、妊娠したラット・マウス・うさぎのすべての動物にビタミンAを過剰に投与すればするほど、胎児の奇形発生率が増加したことが分かっています。

(参照:4.種々の実験動物における奇形発生

また、海外の研究では、1日に15,000IU(4,500㎍RAE)以上ビタミンAを摂った女性の胎児に先天性異常が出る割合が高くなることが報告されています。レチノールをサプリメントで10,000IU(3,000㎍RAE)以上摂り続けた女性は、57人に1人の割合で、ビタミンAの過剰が原因で起こる胎児の先天性異常があるということが報告されています。

(参照:TERATOGENICITY OF HIGH VITAMIN A INTAKE)

ビタミンAの過剰摂取は、胎児の顔や耳に奇形を発生してしまう原因となりうるのです。

 

2-2.母体への影響

ビタミンAの過剰で母体におこりうる症状には、急性のものと慢性のものがあります。

1度に大量にビタミンAを摂ることでおきる急性のビタミンA過剰の症状には、腹痛や嘔吐、めまいや皮膚の表面の層がぼろぼろと剥がれ落ちてしまうことなどが挙げられます。

また、毎日のように大量のビタミンAを摂り続けると、慢性的に全身の関節や骨の痛みや皮膚の乾燥、脱毛や頭痛といった健康被害が出ることが知られています。

(参照: ビタミンAの過剰摂取による影響 )

母体が健康でないと、胎児にも影響がでてしまいそうで不安になりますよね。胎児のためだけでなく、母体のためにも、ビタミンAの過剰摂取はしないように気をつけましょう。

 

 

3.ビタミンAの正しい摂取量について

これから、妊娠中のビタミンAの摂取量について解説していきます。妊娠初期・中期・後期と段階に分けて摂取量の変化を下の表にまとめてみました。

vitamina pregnant

(参照:ビタミンA ー妊婦の食事摂取基準ー)

3-1.妊娠中は 2,700㎍RAE/1日 を超えないように注意する

健康被害をもたらす危険性がないとされるビタミンAの摂取の上限量は、1日当たり2,700㎍RAEです。特に、胎児の目や耳や心臓が形作られる妊娠初期にはこの上限を超えないように注意する必要があります。2,700㎍RAEを超えてしまうと、健康障害のリスクが高まってしまうので、できるだけこの量を超えないようにしましょう。

 

3-2.妊娠初期(1ヶ月~4か月)・中期(5ヶ月~7ヶ月)

妊娠初期・中期に摂るべきビタミンAの量は650~700㎍RAEです。この時期にはまだ胎児の体が成熟しきっていないため、摂取量の目安は妊娠していない成人女性と変わりません

胎児の心臓や身体が形作られるのは、妊娠1~4か月の間。特にこの時期には、ビタミンAの摂取量には注意しなければなりません。過剰に摂取することで、胎児に奇形が起きやすいと言われているからです。妊娠初期はまだ、胎児の分のビタミンAを考えて食事をする時期ではないので、過剰摂取に注意しながら生活しましょう。

(参照:「妊娠・授乳と薬」)

 

3-3.妊娠後期(8ヶ月~10ヶ月)

妊娠後期になると、胎児の肝臓にビタミンAを蓄えさせる必要があるため、少し多めにビタミンAを摂る必要が出てきます。その量は1日当たり、平均必要量として+60㎍RAE、推奨必要量として+80㎍RAE。これは、ゆで卵1つ分(約72㎍RAE)多めに摂るくらいの量です。妊娠後期には、普段より少しだけ意識してビタミンAを摂る必要があるということです。

 

4.特に気を付けるべき食材

妊娠中には、特にレチノールを多く含む食品に気を付ける必要があります。レチノールは体内でビタミンAとしてそのまま利用されるため過剰摂取の原因となりやすいのです。

ビタミンA(レチノール)を多く含む食材には

  • 鶏レバー        14,000㎍RAE
  • 豚レバー        13,000㎍RAE
  • あんきも(生       8,300㎍RAE
  • ぎんだら(水煮      1,800㎍RAE
  • うなぎ(かば焼き)    1,500㎍RAE

          (※すべて100gあたり)

(参照:食品成分ランキング)

といったものがあります。

これらの食品を食べる場合は、量と頻度を考え、ビタミンAを過剰に摂取しないように注意しましょう。

 

 

5.過剰摂取にならないための3つの注意点

先ほどもお話ししたように過剰摂取は母体と胎児に悪い影響を及ぼします。

これから、ビタミンAの過剰摂取にならないようにするためのポイントを

  • レバーの食べ過ぎは控える
  • 野菜からビタミンAを摂る
  • サプリメントや飲料はレチノールが入っているものは避ける

の3つご紹介します。

 

5-1.レバーの食べ過ぎは控える

レバーを一度に大量に食べたり、毎日連続して食べることは控えるようにしましょう。妊娠中に貧血を感じて、レバーをたくさん食べよう!と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、それは危険です

1日のビタミンAの推奨摂取量は妊娠後期で730~780㎍RAEなのに対して、鶏レバーはたった20gでなんと2,800㎍RAE!!1日の上限値である2,700㎍RAEも簡単に超えてしまい、過剰摂取になってしまいます

実際に、摂取するレバーの量が増えるにつれて、胎児の死亡率と奇形発生率が増加することがマウスを使った実験で明らかになっています。

妊娠する1週間前から妊娠18日目までの約25日間、マウスに毎日大量のレバーを与え続けると、マウスの胎児の死亡率は、普通の餌で飼育したマウスの胎児の死亡率と比べて、4倍も多かったのです。

また、耳や眼、鼻や口など様々な場所の形成に異常が出る確率は、摂取したレバーの量が増えるとともに増加したことも分かっています。

(参照:妊娠時鉄欠乏性貧血における適切な食事指導に関する基礎的検討)

妊娠中に貧血気味になる時もあると思いますが、その場合はほうれん草やひじき、牛乳など、幅広く様々な食品を摂取するようにし、レバーをたくさん食べることは控えましょう

 

5-2.野菜からビタミンAをとる

野菜に多く含まれるβカロテンからビタミンAを摂るようにすると、過剰摂取の心配はありません。βカロテンは、体内で必要な分だけビタミンAに変換されるためです。

また、ビタミンAは脂溶性ビタミンなので油脂と一緒にとることでその吸収効率がよくなります。にんじんやかぼちゃといったビタミンAを多く含む野菜を食べるときは油を使って調理するとよいでしょう。

βカロテンを多く含む野菜からビタミンAを摂取することで過剰摂取の心配なくビタミンAを摂ることができます。

 

また、ビタミンAを多く含む野菜について、こちらの記事に詳しく書いてあるので参考にしてみてください。

【旬の時期別】ビタミンAが豊富な野菜を10種類ご紹介します

 

5-3.サプリメントや飲料はレチノールが入っているものを避ける

サプリメントや飲料(野菜ジュースなど)にレチノールが含まれるものは避けるようにしましょう。βカロテンであれば、体内で必要な分だけビタミンAとして利用されるため問題はないのですが、レチノールの場合は、体内でそのままビタミンAとして利用されるため過剰摂取になる可能性があります。

野菜ジュースに含まれるビタミンAは野菜由来のβカロテンのことが多いですが、稀にレチノールを添加してあるものもあります。

サプリメントにも様々あるので、もしあなたが今摂取しているものがあれば、一度その成分を確認してみてください。レチノールが入っているのならば、βカロテンのものに変更するか、飲むのは控えた方がよいでしょう。

 

6.まとめ

ビタミンAは胎児の発育にとって重要なビタミンです。しかし、重要だからといって摂り過ぎることは禁物です。

特に胎児の身体が形成される妊娠初期にビタミンAを過剰に摂取すると、胎児の奇形が起きてしまう可能性があるため、注意するようにしましょう。

ビタミンAの過剰は

  • レバーを大量に食べるとき
  • ビタミンAのサプリメントを摂るとき

に起こりやすいと言われています。

ビタミンAの過剰にならないために、妊娠中はレバーを大量に食べたり、ビタミンAが大量に含まれているサプリメントを摂取することは控え、積極的に野菜からビタミンAを摂るようにしましょう。

 

前の記事へ
普段の生活に欠かせな…